物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

言の葉

空から降る想いを受け取った僕は、言葉の谷で文章を紡ぐ。想いを左手に持ち、右手で言葉を拾い上げ重さを確かめて背中に背負った籠に放り込む

小さくとも重い言葉、大きくても軽い言葉、10も拾えば詩が出来る。

空から降る想いは千差万別で、優しさ、辛さ、悲しみ、喜び。全ての想いに合った言葉はない、ただ僕の谷に落ちている言葉が少ないのかもしれない、いや、僕の能力が足りなくて見つけられないだけだろう。僕に出来ることは真摯に、言葉を見つけて籠に入れるだけなのだ。

小屋に戻りアトリエで言葉は慎重に吟味され、削り取ったり足したりと加工して磨きあげた文章を作り空に戻す。

想いが流星雨のように降り注ぐ日、新月のように空に張り付いたままの日、想いは足りても言葉が探せない日もある。そんな日には作業を諦めて小屋に籠もって音楽を聴く。そして窓から降り注ぐ想いが言葉にぶつかり光るのを眺めている。

別の谷では、僕ではない誰かが言葉を拾い上げて綺麗な文章を組み上げているから、僕は必要なのかと思うときもある。もし、君がまだ僕の文章を認めていてくれるなら、もう少し続けてみようと思う。そんなことを考えながらも通勤電車で職場へと運ばれていく、運命には抗えないな。