物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

雨の惑星

雨の夜、東京タワーや汐留のビルが黒いアスファルトに写りぼやけて海上に浮かぶ水上都市のように見える。

銀座の地下にあるフランス料理店から、路上に出た僕らは、中央通りを歩きながら過去を懐かしみ昔話をした。

四半世紀を遡り、昨日のように思える失敗談を笑い少ししんみりとする。根拠のない自信と甘えと依存、求めるばかりで傷つけ傷つけられた日々を振り返り穏やに話をした。感謝と謝罪を相手に伝えられて良かった、本当によかったと思う。

優しく降る雨の中を有楽町駅を目指して歩いた一つの傘では肩が濡れたけど構わない。銀座五丁目の信号を左に曲がった。

僕は昔同じように、みゆき通りを彼女と歩いたことを思いだしたけど、言葉にしなかった。

雨の季節はもうすぐ終わる、夏は白くて空っぽで憧憬と焦燥の季節だ。今度いつ会えるのかと思い彼女を見てたら、同じ目をして僕を見ていた。駅には向かわず遠回りをした。雨は降り止まず靴は濡れたが気にすることはない。

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