物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

毎晩誰かと会っている

僕は他人と人間関係を築くのが不得意だ。そう悟られないように仕事や社会生活の中では、相手に調子を合わせて社交的に振る舞っている。楽しそうに話しているが本当に楽しいわけではない。

休日には、スイッチを切って他人に興味を持たず、なるべく目立たないように息を殺して生きている。誰かに気を遣うより独りでいる方が気が楽だ。所謂、僕の微笑みは営業スマイルで、親しみやすい人間を演じているが本当は根の暗い男なのだ。

そして僕は気紛れな偽善者らしい、確かに、相手にとって都合の良い人間であろうと思い、心を砕いて接しているが、求められている自分の役割が終われば距離を取り疎遠になる。

相手が僕に興味を失う前に、自分から背中を向けて遠ざかる。親しくなりすぎると遠慮がなくなって必要以上に相手に求めてしまうだろ、好かれても愛されないように気をつけて逃げ出すように離れていく。

もっと器用に生きられたらって思うけど無理みたいだ。

僕はガラスの壁に隔たれた世界を眺めて、ため息をつくだけだ。自分が望んだといえ心を許して人と交われない自分を寂しいなって思ってしまう。

誰かに誘われたら断らずに人と会うことで、スイッチはオフにしないでいられる、自分と向き合わないですむ。今日も八重洲地下街でビールを飲んでいる。傍目には楽しそうであるけど、別に楽しい訳ではない。