物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

同じ空ではないが、同じ匂いがする風が吹いた。

今月今夜のこの空を君はどこかで見ているのかな

昨年は下弦の月、今年は月齢二歳の繊月だ。

昨年、眠る飛行場には優しい風が吹いていて、薄曇りで余り星は見えなかった。

あれから僕らの距離は縮まったのかな、

あの頃の僕はこの先人生がどう転ぶかなんて予想もつかず自分が出来る最善は何かと考えていた。

ただこの場所から離れていく予感だけはあり、そんな思いを胸に秘め、橋の上から君のシルエットが僕に近づいてくるのを眺めていた。「こんばんは」と挨拶をした君も僕もその日髪を切っていたことを知った。

あの晩君はフェスに行った話をした。最後はセッションでフジファブリックの「若者のすべて」を演ったと僕に教えてくれた。

僕が何を話したかなんて覚えていないけど、冗談ばかりを言っていた気がする。

時間としておよそ3時間弱僕らは短いドライブをした。最後はもう少し一緒にいたいなあと思いながら君を降ろし背中を見送った。

あの日から君は変わらず僕のラブリーだ。君は一人で頑張り過ぎずに、僕にもう少し甘えてくれたら嬉しいのだけど、君はそういう人じゃないことも理解している。

だけどね、少しはね僕に弱さを見せてください。困った時や必要な時は僕を頼りにしてください。