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物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

目を閉じると波の音が聞こえた

用意していた言葉を告げて、ほっとした反面、寂しさが胸を満たした。

僕は唯一に近い味方を失い、代わりに孤独を手に入れた。これからは漠然とした孤独と向き合う対処の仕方を学ばなくてはいけない。

向き合って対峙したものとは厳しく真剣に接するのが僕の主義だ。軽はずみな行動で職場の志気を低下させることや組織の信用を落としてはならない。敢えて親しい人と離れ、世界を狭めて生きにくくすることは、自分への戒めで、背負ったものを運ぶには仕方がないことなのだ。そしてそれは相手の名誉を守ることにも繋がる。やはり死にぞこないが、楽しみなんて望んではいけなかった。久しぶりに後悔と自己嫌悪に苛まれている。

仕事関係の酒席の後、移動の電車で少し眠った、遠くから風にはためくコートと潮騒の音が聞こえてきたような気がして、より強く目を瞑る。あの日僕は幸せだった、海を見つめる君の横顔を見ていた僕は幸せだったと思った。この風景をこれから何度も思い出すのだろうと確信し、目を開けて電車の窓の外に広がる闇を睨みつけ今日を終える。