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物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

潮時

長年着続けたお気に入りのシャツの袖がほつれた。名残惜しいけど洗濯をしてボタンを取って綺麗に畳んでビニール袋に入れて捨てた。

年月の中で擦り切れたのは心も同じで、一緒にいることが楽しみではなく責務に変わり、無理をしているように感じられたら、それはもう終わりなのだ。

愛おしいと感じた仕草も興味が無くなれば、煩わしいと思う。彼女のことが好きなはずが、彼女を好きな自分が好きだという事実に気がついた時には、もう恋ではなくなっている。

 哀しいけど、感情とはそんなものだ。坂道を緩やかに転がり始めたボールがだんだんスピードをあげて廻り続けるように、間違った選択であっても自分の意志だけでは止めることは出来なくなってしまう。やがて関係を続けることが目的となり、運命の人に出会った時には、真実の愛に気がつかないふりをして、目を背けてやり過ごしてしまうのだ。僕はそれはとても哀しいなって思うんだ。

そもそも恋愛は恋という衝動的な欲求と、愛という保護的な感情を併せもつ厄介な気持ちで、年月を過ぎ、恋だけが脱落し愛が残り義務を強いるものなのだ。

さて、僕はどうする。最近は自分の意志を持たず、ただただ運命に身を委ねてみようと考えている。どんな結果になっても後悔はしない。神様がいるなら彼もそう望んでいるのだろから。

 

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