物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

毅然として冷静に打ちのめす

何にせよ溺れるほど夢中にはなれない、僕は何時でも何処かで振り返り、岸を確認して戻れる距離しか泳がなかった。

破天荒な人生を標榜しながらも、身を滅ぼす程はのめり込めない。同じゴールを目指して隣を泳ぐ誰かが急に沈んでも、助けることはしない、溺れてもがく奴にしがみつかれたら自分も一緒に溺れ死ぬ。

薄情で冷たい、なんとでも言えよ。自分の器量を省みず、欲にまみれて我先に人を押し退け、利益を独り占めしようとする傲慢な奴は救えない。自業自得さ、遅かれ早かれ破滅するのは自分も同じなのだ。運否天賦、勝ちか負けかで優劣が決まる世界では仕方がないことだ。

僕だって出来ることなら後先を考えず、窒息するほど溺れてみたい、自堕落に生きて酒池肉林の宴を催したい。否、嘘だなそんなことは思ってもいないな。欲に負ける奴はクズだ。

何れにせよ僕は臆病者で知恵が回る、小賢しい奴だと周りには思われていた。でも闘う時は全力で闘い逃げることはしなかった。折れない芯のある男でいたいんだ。敵に回れば徹底的に潰すか潰されるかだ。優柔不断な僕にも時には譲れぬ意地があるのさ。

そんな感情を吠えて叫んでぶつけてみたけど、そこにはただ風が吹いているだけだった。結局悪にも善になれず取り残された。