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物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

誰もが僕を好きになった

僕のやさぐれた魂は、行き場を失い夜の街を当て所もなく日々さ迷う、酔いにまかせて知らない女と口先だけの約束を交わし、今宵の行方を探ってみたりと、善悪の区別もなく勢いに流され夜を過ごす。そのうちに腕を絡めて一時の逢瀬を楽しむ僕は悪の化身で自堕落を望む偽悪的な存在だ。そんな僕を君は呆れながらも許してくれると思っている。悪にまみれた僕はゆらりと揺れながらも、君と向かい合ってご飯を食べることが、今の僕には生きる糧であり精神の均衡を保つ上で必要なのだと思っている。君は僕の良心を信じてくれている。だから甘えてしまう。今日の宴席でも如才なく人の懐に忍び込む僕の才能は一流で、誰もが自然に僕のことを好きになる。僕は何時も親身であたりが柔らかく、頼られた人の世話を最後までやく。相手の感情を受け止め全てを包み込む寛容さは僕の得意分野で、だから何とか世の中を渡っていけるのだ。

今日は不義理のあった諸先輩に詫びを入れて一連の騒動の手打ちをした。そして、何時かお役に立てるように、傍らに控えていると殺し文句を言う。自分のそつのなさに呆れて仕舞うほどだ。でも相手が喜ぶのだからそれで良いのさ。