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物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

お為ごかしの人生だ

酒席の僕は調子の良い酔客で、その場しのぎに好意を撒き散らし、誰にでも優しい男を演じささやかな饗宴をホストとして演出した。その場での役割を心得て、席の雰囲気を盛り上げたと思う。誤解のないように言い訳をするけど、僕はけして楽しんではいない、皆が楽しければ良いんだと本気で思っていたんだ。我に帰れば苦痛だし、無理をして気安い男を演じているが、こんな酔狂な茶番劇から逃げ出したい気分だった。集った誰もが少しでも和んでくれたら言うことはない、それが僕の使命だ。深夜に開放されて地下鉄の駅の出口から星を眺める、本当に小さいな、人間の一生なんて短いなってため息をつく、最後までこんな感じなんだな、あきれ果てたふざけた男なんだよ笑ってくれ、本意が伝わらなくともしかたがないか。君に伝えたかった言葉だけが胸に残って、覚悟を決めた六日間が始まった。