物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

迷い間違うことが人の業だ

捨ててもよいと思っていても、しがみつく手を振り解くことは悪の所行だ。誰かを選べば誰かを無くす。自分の器量じゃ精神的にも経済的にも全てを抱えることは無理なことだ。僕は馬鹿ではないが夢見がちな男だから一瞬でも、恩讐を越えた楽園で皆で楽しく暮らす御伽噺を願ってしまう。僕はそれで良いけど相手は地獄だ。嘘に近い秘密を抱えて誰かと会うことは裏切りなのだ。理屈では判りきった選択肢を選ばずに、わざと破滅への道を選んで歩いていくのは利口なやり方ではない、他人にはお勧めしない修羅の道だ。僕自身の人生だけではなく全ての関係者をがっかりさせて、築いた評価を地に落とす、悲劇は想像通りの結末を辿る。それでも禁断の果実を食べてしまった種族の末裔としては、心のままに愛を贈りたい、全ての愛する者に全力で真心を注ぎたい。何を言っているんだって自分でも思う、もしくは安定した安らぎなんて僕には持ってはいけない感情なんだと思い込んでいる。破滅願望を宿し終わりの日を渇望しているのは確かだ。僕は尊敬されるような立派な男ではない、情に流される弱い男だ。優しいのではなく隙だらけで甘いのだ。騙すよりも騙される側に立ち、時には納得ずくでまんまと騙されることもある。しがみつく手の感触は忘れられず、今日も誰かの手を握りながら感情も感覚も上書き出来ず心を痛め愛を配るのだ。倫理というマストを折られた船はただ潮流に任せて彷徨するだけだ、意思は持たず流れ着いた場所で出会った誰かと生きるしかない。それが誰なのかなんてこの際どうでもいいのさ。