物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

ハッピーバースディ そして メリークリスマス

ハッピーバースディ
そして
メリークリスマス
12月24日に生まれた彼女に書く手紙は毎年同じ言葉で始まる。
僕にとってクリスマスイブは彼女の誕生日で、僕らが付き合っていた頃は、必ず僕はケーキを2種類(誕生日用とクリスマス用に)用意して二つのプレゼントを渡していた。
「私の家って商売をやっていたから、年末は忙しくて子供の頃に誕生日をちゃんと祝ってもらったことが無かったのよねぇ、いつも誕生日とクリスマスは妹たちと一緒のお祝いだったの」と寂しそうに話す彼女の話を聞いた日から、僕は二つの「幸福の日」をそれぞれ祝うことを決めたんだ。
彼女にお祝いのプレゼントを渡すときは両手を後ろに回して、左手に誕生日プレゼント、右にクリスマスプレゼントを持って「ハッピーバースディ そして メリークリスマス」と言って両手を前に差し出し、彼女の顔が綻ぶというお約束の時間が僕の楽しみだった。周りの目が気にならない時は、お礼のキスを左と右の頬にしてもらった。今思い返しても嬉して恥ずかしくて楽しい至福の時間だった。時を経た今彼女に送る手紙は手書きからワープロ文章、メールへと変わり、年月を重ねながら続けられた。今年も彼女に文章を認めて僕の今の想いを伝えた。何を書いたのかは内緒だけどね。
ただ、想いはあの時も今も変わらず、彼女の全てを受けいれることが僕の愛のカタチだと思っている。生きている限り僕は毎年彼女に手紙を贈り、送信ボタンを押すたびに左と右の頬は彼女のキスを受ける準備で赤く染まるのさ。