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物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

午睡

移動の電車は空いていた、午後の日差しが作った日溜まりの中で座席に座り少し眠ってしまった。短い夢を見た、死んだ友人と海岸の岩場に座って海を見ながら話をしている夢だった。彼は日に焼けて元気そうで、そして最後に会った年齢のままだった。5分に満たない短い眠りで見た夢の余韻は強烈な痛みとして胸に刺さった。そして電車はターミナル駅へ滑り込んで行く。僕が生きていること、そして彼が亡くなってからもう25年も経っていることを思い出して、なんとも言えない気持ちになった。唯一無二の親友だった。真の友達と呼べるのは彼だけだった。今の僕に必要なのは寄りかかる誰かや愚痴を言う相手ではない。人生観と見識、思想や哲学についてリミッターを外して対等に話せる相手なんだ、彼のような男とはもうこの世界では出会う事はないだろう。ただただ長く生きてしまったな、まだ迷い大人になれずにいる僕を彼は笑うかな、いや誉めてくれるような気がする。きっと「お前はそのままで良いんだよ」って彼は僕を強く肯定し支持してくれると思う。

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