物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

満月は明日ですが

月を眺めていたら、随分と遠くへ来てしまった気になった。自分の立っている場所に違和感を覚え哀しくなった。しんみりとした心で車を走らせ、指定された店へ向かった。過去の記憶と未来の不安、 コンビニのカップコーヒーの匂いは飽きてしまった。「大切なものはなんだろう、それは本当にそうなのだろうか」そんな問いかけをしながら月を眺める。駐車場で大切な人を待ちながらぼんやりと考えていた。そして突然明日からの予定を思い出してうんざりした。この場所から逃れられぬという事実を認めたくはなかった。「大切なものなどない」そう信じたいだけなんだ。脳が勝手に電気信号を繋いで幻影を見せているのだ。 思い過ごしと勘違いのあやふやな世界を今日も生きているのさ「大切なものは捨てることだ」家に帰ったらドビュッシーを聴こう、「月の光」よりも「アラベスク」を聴こうと思う。拭い去れない現実に背くように止まらない思考を音楽で満たそうと思う。また明日になれば道化た役割を演じる、そんな自分を聞き分けのいい奴だと思うが好きにはなれない。まだ彼女は現れないし月は雲に隠れてしまった。

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