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物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

滴る朱が空に滲んだ百日紅

真夏の花は向日葵

だけではない

庭の古木を賑わすピンクの花は

君が愛した百日紅だった

そういえば

君は花の名前を全然知らなくて

僕が教える傍からすぐ忘れた

何度も言わせるなよと口を尖らすと

「あなたに聞けばいいから

 私は知らなくて良いんだよ」

と悪びれもしなかった

今では君は本当は全部知っていて

僕に文字通り花を持たせてくれていたのか

と思うことがある

確かめる術はないけど

そう信じている

「奇麗ね、それしかいう事はないわね、風の音も素敵」

君の声が久しぶりに、甦り

僕は少し涙が出た