物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

目覚めてぼんやりと

気持ちに寄り添い、相手の傍らで心配すること、頑張れと祈り、見守ること。僕が出来ることはそれだけだった。君は大丈夫だったの?と、さっきコーヒーを飲みながら思った。 早く君に会って話をしたいな、でも今まで通り全ては話さない。知ってしまったら僕か…

生きているから、かなしいんだ

自分の周りで、不慮の事故や事件、自死や難病で亡くなった人、また忽然と社会から消えた人達の数を数えていたら、溜め息が漏れた。恐らく普通の生活(何を基準かわからないが)を送る人よりも数は多いのだろうと思ったからだ。 40年前は事故現場で震えていた…

雨の朝に思う

雨音に目が覚める程気持ちは尖っていた。 誰もが彼女の死を悼み、助けられなかった無念を胸に宿し眠れない夜を過ごしていた。 悲しみと怒りはさざ波のように伝搬し心を揺らし続けた。 憎悪と憤怒が体を満たす前に諸悪の根源である怪物を排除しなければ、気持…

成らぬは人の 成さぬ成けり

「あなたはいつも他人に厳しい、責任を自分と同じ様に人に求める。それにあなたみたいに容赦がない人は珍しい、何かをきっかけに人が変わったように冷たい人になる」 僕は生真面目で一所懸命な男だから、冗談を言って笑わせることも、相手を絶望させる一言を…

真実と事実

事実とは起こった現象を記録に基づき、ありのまま伝えることだと思っている。そして真実は個々が信じる結論に沿って好みの素材を集め作った作品だと僕は思う。 僕は今ある事件に巻き込まれている。自分が事実として認識しているものも、バイアスがかかって本…

悲しいではないか

取り返しの出来ない今日がある。昨日に戻ってやり直せたら、別の結果になっていたのだろうか。そんなことは判らない、起きたことは事実に基づき現実的に対応するだけだ。なぜ、と言った所で理由なんて本人にしか判らないのだ。平穏無事な人生を歩めない僕だ…

必ず行くからそこで待ってろよ

連休の渋滞で高速道路は1時間で20キロしか進まない。これだと帰りの時間を含めて会うのは1時間ぐらいしかないなと考え、待っている彼女はきっと僕の事を心配してくれているのだろうと考えた。新緑の季節、家族連れ、混んだサービスエリア、渋滞も隣に好きな…

こんなの僕じゃない

今日も職場になんて行きたくもないし、スーツなんて着たくない。なんて駄々をこねても仕方がないよな。給料を貰っている限りに置いては、給料分の職責を全うしたいと思う。 皆には、使命感と責任感を身につけて貰いたいと考えている。今後3年間の先を見据え…

海を想う

人と海の共通点について思い巡らしている。 地球における海水と人間の身体の中の水分の割合はおよそ70%だ、人の中には海があるのだ。 海水の塩分濃度は3%、胎児が浮かぶ羊水と同じ濃度である。 一分間に波が打ち寄せる回数は18回、人が一分間に呼吸をする…

ねぇ少しの間手をつないでくれないか

温もりを感じると安心するから、同じ体温になるまで手を繋いでおくれよ。僕は疲れてしまってヘトヘトなんだ。あらゆる人間関係に、存在することの軋轢に疲弊し擦り切れて肩を落として電車に揺られている。願いはゆっくりと安心して眠ることだ。君の胸に鼻を…

Life

真夜中の街の静さ、漆黒の空に穴が空いたように星が煌めく、木星とベガ、夏の星座が見え始めている、風に乗って遠くから君の声が聞こえたような気がした。 結局、あなたは誰のことが好きなの。 笑顔が素敵で可愛い女の子が好きなんだ、だから君が好きってこ…

東京をよぎる桜月夜、こよひ逢ふ人は...

「あなたの考え方や会話が面白くて、一緒にいると時計が故障してるみたいに時間が早く過ぎていくわ、あなたって何時も一生懸命で、誰にも優し過ぎるから疲れてしまうのね、無理しないでと言っても、こんなの無理じゃないって言う人だし、私あなたの体調を心…

耳元で囁くように静かにゆっくりと

もし僕に愛について語る時間を与えてくれるのなら、僕の信じる愛の形について伝えたい。愛は静かな信用だと僕は思う。親しいという気持ちから築き上げられる心の形なのだ。愛とは本当に、本当に本当に誰かの幸せを願うこと、或いは全てを受け入れ、相手の人…

全然、好きじゃない

僕は嘘つきだ。 誰にでも優しく甘い嘘をついて、本当のように思いこませるペテン師なんだ。 君のことなんて、本当は好きじゃないんだ。君が可愛いから、照れる君をからかっていただけだ。 君の勧めてくれたバンドの曲なんて聴いていない。そもそも君と会う日…

好き、嫌い

優しさと冷たさ、厳しさと暖かさ、矛盾しながらも二つの異なる感情を併せ持ち生きている。愛があればこそ見事に成立するレトリックだ。無私の心、自分を勘定に入れては正確な判断など出来ない。我欲に駆られ利己的に生きて失敗した僕は自分が幸福になること…

愛なんて知らない

誰かが投げつけた、嫌な言葉や辛辣な思いを受け止めたり、拾ったりしていては身が持たない。 いちいち他人の心の闇に付き合っていたら、僕は感受性が強いから、人の何倍も深く傷つくことになってしまう。 だから僕は心を捨てた。 僕は弱い人間かもしれないが…

I DON’T MIND IF YOU FORGET ME

君が僕のことを忘れてしまっていても、僕は気にしないよ。 待宵の月は朧で、桜は夜の静寂で風に散る。 僕は誰も知らない山の斜面に咲く孤高の桜の古木に想いを寄せる。深山幽谷の中で静謐に命を燃やし、自分の役割を全うし枯れて朽ちる命。誰も知らない花の…

海でのはなし

海は独りきりで見に行くものだ、時々海を見るためにだけ、仕事帰りに車を走らせたこともあった。 ふ頭の先端の駐車場で港に出入りする船を眺め、航海の始まりに高揚する期待感や旅の終わりの安堵と倦怠感を乗せた船を見送った。 対岸のお台場の光が幻のよう…

花に嵐の例えもあるぞ

語るべきことが、多過ぎると、何を書いてよいのか解らなくなる。 好きとか嫌いとか、感情と理性とか。 責任と義務、自由と権利、冷静で信頼感があると言われても、自分の思う真意が何かなんて分からないのだ。 好きな人と一緒に過ごす、困っている誰かを助け…

惜しくもないよ

ねぇ僕が死ぬまでずっと君は愛してくれるのかな?って聞いたら「いいえ、私が死ぬまでね、あなたもそうじゃないの」と答えてくれた。僕は君と一緒にいるときが一番楽しく笑っていられるみたいだって告げると「不思議ね私もそうよ、なぜかしら」なんて微笑む…

春なんて来なければいいのに

花曇りの空は嫌いだ、色のない街に桜を咲かせて街をピンクに染めて行く。春は心が落ち着かない。 穏やかで長閑な日差しの後には、突然不穏な夜風が吹き嵐を呼ぶ。遠く鳴る春雷の音に呼応するように、僕は自分の本性を思い出して、苦笑いを浮かべる。平穏無事…

最期に隣にいるのは誰

3ヶ月後に隕石が地球に衝突して、大半の人類が死滅してしまうのなら、世界の終末を僕はどう生きようかと考えている。 自宅の地下にシェルターなんて無いし、政府要人に知り合いも居ない。隕石が海に落ちた後の大津波から逃れる為、高い山を目指しても車はき…

求めず追い掛けず

僕の決意を示すように、年相応の分別と威厳を持って今日は過ごせたと思う。不思議と気持ちは落ち着いていて、甘えたことも言わず弱さも見せなかった。僕だってやればできるじゃないかと安堵している。 置かれた立場を考えて行動すること、それは簡単なことだ…

春なのに

僕には平穏な人生は似合わないみたいだ。 困難を拾って歩くような僕は少し人とは違うみたいで、理解者も得難い存在だ。 窮地や逆境に陥った時に、人の本性が出るものだ、自分勝手に逃げ出したいやつは逃げればよいのさ、出来ない事を強いるのは私刑であり、…

威風凛々

僕は誰にでも機嫌良く笑ってばかりいたし、どうでもよい冗談と軽口ばかり言っているから、簡単で与し易い男だと軽んじられている。残念ながら僕の生き方は尊敬に値しないらしい。それは全て不徳の致すところであり、僕の甘さがもたらした規律の乱れだ。 僕が…

潮時

長年着続けたお気に入りのシャツの袖がほつれた。名残惜しいけど洗濯をしてボタンを取って綺麗に畳んでビニール袋に入れて捨てた。 年月の中で擦り切れたのは心も同じで、一緒にいることが楽しみではなく責務に変わり、無理をしているように感じられたら、そ…

想いは言葉を超えない

日常の幸せは、綿々たる日々の積み重ねの上に存在している。綺麗に畳んだ洗濯物、子供達の笑い声、暖かい食事と記念日のメッセージ、安心と安定、過不足なく満たされた心。自分の役割と居場所のある確かな場所。 だけど、ここは僕の本当の場所なのであろうか…

シンクロニシティ

食事を終えてクロークに預けていたコートを受け取り玄関を出た後、僕は心の中でそっとため息をついた。楽しい時間は終わり現実に戻るのか、君ともっと一緒にいたい、離れたくないのだと。そう思った瞬間に同じタイミングで君がため息をついたので、僕の想い…

もし君が

東京に出てくるのなら、僕に連絡してほしい。東京の夜は不思議な魔力に満ちている。素敵なお店を選んで君をエスコートするよ。例えば夜景の綺麗な高層階のラウンジや水槽の並んだ地下の隠れ家、運河沿いの倉庫を改装したバー、キラキラしたシャンデリアが煌…

情熱の薔薇

「なるべく小さな幸せと なるべく小さな不幸せなるべくいっぱい集めよう そんな気持ち分かるでしょう」 小さな花を沢山集めて作った花束を贈るように、小さな日常を沢山集めてありふれた生活を過ごす。幸せとはそんなものさ。 「 答えはきっと奥の方 心のず…

くつろぐ程に痛みは増す

君といると、身体に巻きついた重たい鎖が解けていく、背負わされた荷物が空っぽになったように身体が軽くなる感じがする。 僕は立場を示すために旗を片手に丘に立ち、敵にも味方にも自分が此処にいることを知らせている。意地を張った分、胸も背中もがら空き…

偽悪家

呆れるほどの善人や、振り返りたくもない悪人なんて、周りにはいないものだ。皆中途半端でその場の雰囲気で良い人にも悪い人にでもなる。思考を停止し空気に流されて生きているだけだ。杭に縛りつけられた範囲の中でしか吠えることのできない、生活の安定と…

わがままを言うよ

僕と会っている時は、君は僕のことだけ考えていれば良い。僕も君のことしか考えない。二人で過ごす時間は二人だけのものだ。世界の片隅で僕らは語らい笑い親しく過ごすのさ。二人の為に世界はある。不思議だけど、これは必然で世界の始まりから決まっていた…

土曜日の恋人

今日は彼女の好きなビュッフェスタイルのレストランではなく、串揚げ屋を予約をした。カウンター越しに向き合った板前さんに、僕は彼女の好きな具材を注文して僕はビール彼女はオレンジジュースを頼み乾杯をした。 周りが自分よりも年嵩の大人ばかりなので気…

このまま風に吹かれて

誰にでも愛されているふりをする僕は、君の前でも素直になれないままだ。 騙しても騙しても心は君を追い続ける。長い夜に君を想う、大きな溜め息は闇を深くさせる。 躊躇や戸惑いをかなぐり捨てて、ときめくままに言葉を伝え、君を抱きしめることが出来るの…

春になるまで

冬の終わりから春の始まりの間、季節が変わるまでは君を想っていたい。 コートが重く感じられ、マフラーが邪魔になるまで、桜が咲くまでは。 泳ぐ魚は素手ではなかなか掴めない、手品師のスカーフのようにするりと手を滑り消えてしまう。 理由や意味を考えて…

病膏肓に入る

風は冷たく、鼻が凍るくらいの寒い夜だ。 桃のピンクと漆黒の闇、僕は独りきりで夜の底を歩いていた。ああ、何故だか、ため息をつく度に君の事を考えてしまう。これは普通ではない、かなり重篤だ。 この感情の名前を僕は知っている。青年期の僕を苦しめ心を…

僕が部屋に入って来た時に笑い声は途絶える

声は聞こえない、心も通じない 叫びは届かず、振り返りもされず、夜の闇に取り残された。 僕を残してバスは出て行った、誰も僕の存在なんて忘れてしまって、隣に座っていた人でさえ、居なくなったことに気付かない。そんな寂しさは伝わらず、微笑みながら涙…

管理者として

敵をつくらず、味方も選別する。 利用出来るものは利用するが、必要以上に媚びることはしない。権力者には意見を控えて尻尾を振って懐くような真似は出来ない。 悪人にもなるが、残念なことに腹は黒くない。二枚舌で欺き陥れるような奴らとは違う。 表面上は…

心は誰にも触らせない

人に優しく接すのは、期待していないからだ。力量を見極めて能力が足りない者には過度の期待はかけない。向上心も無く自らを磨くつもりのない者の話を聞くことはない。実力も無いのに要求だけを求める者は相手にしない。いつも自分の利益だけだ、悪いのは他…

キス・イン・ザ・ダーク

デートの帰りに秘密のキスをして「後戻りは出来ないのよ」と瞳を覗かれると、ドキリと身が震え、嗚呼生きているんだと実感する。 あえて危うい吊り橋を好んで渡る僕は病んでいるのだろう、求められれば誰彼かまわず、愛を配り手品のようにスルリと唇を奪って…

Stray cat

穏やかな日々、波風の立たない凪いだ世界。 上辺の優しさと愛想笑いの日常、平凡な社会生活。日付が変わる前に家に帰り、眠るベッドは暖かい。不自由もなく全ては満たされている。こんな当たり前の生活が明日も続くのかと目を閉じて、ため息と共に眠りに就く…

キミをどんなに想い続けても

例えば、海が見える場所で触れるか触れないかの距離でベンチに腰を掛けて 一緒に夕日が沈むのを眺めることは素敵なことだと思う。 例えば、天井の高いレストランでナイフとフォークを動かしながら、穏やかに会話を愉しみ、美味しい時間を共有することは、僕…

Dream Land

夢の中に出てくるぐらい君を想っていたい。 僕のじゃなくて君の夢の中に、 恋人じゃなくても、友達じゃなくても すれ違う通行人役でいいから、 君の無意識の世界の住人になってみたい。 夢で愛しい人に逢う方法、平安時代の恋する乙女が詠んだ唄を思い出して…

かたちのないもの

潰れた心を、そおっと両手で抱えて陽向に持っていた。春の陽を浴び、鳥の歌を聴き、少し優しい気持ちを吹き込んだら、イビツながらも形が戻った。 破れ、砕かれ、打たれながらも意外にタフなものなのだ。鉄であったり豆腐であったりバラ色や灰色と目まぐるし…

怖いから隠してしまうんだよ

本当は東京駅でサヨナラを言うつもりだったけど、わがままを言って同じ電車に乗り込んだ。まだ、君と離れたくなかったからだ。 一駅だけ一緒の電車に乗って、名残惜しいけど開いたドアからホームに降りた。 ホームの階段を昇る手前で振り返ったら電車に残っ…

心が潰れる音4

「この子は無理をしていたんです、強くもないのに強いふりをして、恰好ばかりつけてバカな息子です」彼の母は、僕の知らない彼の姿を語った。 無理に飲みすぎて家で嘔吐する彼、周りの気を引こうと奢り集られて借金を重ね、ギャンブルに依存する彼、名古屋を…

心が潰れる音3

記憶が混濁した彼は、うなされ「怖い怖い、死にたくない」と身体を震わせていた。「先生、助けて下さい」と僕を医師に間違えて「虫が背中に貼り付いて取れないんです」と訴える。 見てはいけないものを見てしまったという思いが心に湧いた。隣にいた彼の母親…

心が潰れる音2

病院の無機質なベッドに棒のように細い男が横たわっていた。身体中に管を繋がれた彼は死の床にいた。 久ぶりに会いたいと連絡を受けて、向かった先は東海地方の町にある総合病院だった。 10年ぶりに会う彼は、頬がやせて鈍よりとした目で僕を迎えた。 「ご覧…

心が潰れる音1

その人は僕の憧れだった。常に堂々と落ち着いていて機嫌よく笑う人だった。彼は何時でも僕に夢や希望を語り、意欲的で前へ前へと進む挑戦者だった。 「人生は良いものだ、頑張れば必ず結果がでる」と涼しい顔で笑いかける彼は僕のヒーローでアイドルだった。…