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物語は終わっても人生は続く

心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

想いは言葉を超えない

日常の幸せは、綿々たる日々の積み重ねの上に存在している。綺麗に畳んだ洗濯物、子供達の笑い声、暖かい食事と記念日のメッセージ、安心と安定、過不足なく満たされた心。自分の役割と居場所のある確かな場所。 だけど、ここは僕の本当の場所なのであろうか…

シンクロニシティ

食事を終えてクロークに預けていたコートを受け取り玄関を出た後、僕は心の中でそっとため息をついた。楽しい時間は終わり現実に戻るのか、君ともっと一緒にいたい、離れたくないのだと。そう思った瞬間に同じタイミングで君がため息をついたので、僕の想い…

もし君が

東京に出てくるのなら、僕に連絡してほしい。東京の夜は不思議な魔力に満ちている。素敵なお店を選んで君をエスコートするよ。例えば夜景の綺麗な高層階のラウンジや水槽の並んだ地下の隠れ家、運河沿いの倉庫を改装したバー、キラキラしたシャンデリアが煌…

情熱の薔薇

「なるべく小さな幸せと なるべく小さな不幸せなるべくいっぱい集めよう そんな気持ち分かるでしょう」 小さな花を沢山集めて作った花束を贈るように、小さな日常を沢山集めてありふれた生活を過ごす。幸せとはそんなものさ。 「 答えはきっと奥の方 心のず…

くつろぐ程に痛みは増す

君といると、身体に巻きついた重たい鎖が解けていく、背負わされた荷物が空っぽになったように身体が軽くなる感じがする。 僕は立場を示すために旗を片手に丘に立ち、敵にも味方にも自分が此処にいることを知らせている。意地を張った分、胸も背中もがら空き…

偽悪家

呆れるほどの善人や、振り返りたくもない悪人なんて、周りにはいないものだ。皆中途半端でその場の雰囲気で良い人にも悪い人にでもなる。思考を停止し空気に流されて生きているだけだ。杭に縛りつけられた範囲の中でしか吠えることのできない、生活の安定と…

わがままを言うよ

僕と会っている時は、君は僕のことだけ考えていれば良い。僕も君のことしか考えない。二人で過ごす時間は二人だけのものだ。世界の片隅で僕らは語らい笑い親しく過ごすのさ。二人の為に世界はある。不思議だけど、これは必然で世界の始まりから決まっていた…

土曜日の恋人

今日は彼女の好きなビュッフェスタイルのレストランではなく、串揚げ屋を予約をした。カウンター越しに向き合った板前さんに、僕は彼女の好きな具材を注文して僕はビール彼女はオレンジジュースを頼み乾杯をした。 周りが自分よりも年嵩の大人ばかりなので気…

このまま風に吹かれて

誰にでも愛されているふりをする僕は、君の前でも素直になれないままだ。 騙しても騙しても心は君を追い続ける。長い夜に君を想う、大きな溜め息は闇を深くさせる。 躊躇や戸惑いをかなぐり捨てて、ときめくままに言葉を伝え、君を抱きしめることが出来るの…

春になるまで

冬の終わりから春の始まりの間、季節が変わるまでは君を想っていたい。 コートが重く感じられ、マフラーが邪魔になるまで、桜が咲くまでは。 泳ぐ魚は素手ではなかなか掴めない、手品師のスカーフのようにするりと手を滑り消えてしまう。 理由や意味を考えて…

病膏肓に入る

風は冷たく、鼻が凍るくらいの寒い夜だ。 桃のピンクと漆黒の闇、僕は独りきりで夜の底を歩いていた。ああ、何故だか、ため息をつく度に君の事を考えてしまう。これは普通ではない、かなり重篤だ。 この感情の名前を僕は知っている。青年期の僕を苦しめ心を…

心全て引力 君しか 見えない 未来

賢明に隠しても、僕の気持ちは君に見抜かれている。君が感じたように、僕にも君の心の声が聞こえる気がするんだ。これは一種のテレパシーみたいなもので、同じ感覚を僕らは共有していると思うんだ。僕の思い過ごしかもしれないけどね。 それにしても、他の人…

僕は思うこの感情は続くと

君に会えば楽しくて、別れ際は何時も寂しい。どうすれば寂しくならないのかな、なんて考えている僕はやっぱり君の事が好きみたいだ。 近づけば遠ざかり、離れれば近づく、ふたりの距離は何時も少しだけ足りなくて、あるいは少し近すぎるのかな。そんなことを…

僕が部屋に入って来た時に笑い声は途絶える

声は聞こえない、心も通じない 叫びは届かず、振り返りもされず、夜の闇に取り残された。 僕を残してバスは出て行った、誰も僕の存在なんて忘れてしまって、隣に座っていた人でさえ、居なくなったことに気付かない。そんな寂しさは伝わらず、微笑みながら涙…

管理者として

敵をつくらず、味方も選別する。 利用出来るものは利用するが、必要以上に媚びることはしない。権力者には意見を控えて尻尾を振って懐くような真似は出来ない。 悪人にもなるが、残念なことに腹は黒くない。二枚舌で欺き陥れるような奴らとは違う。 表面上は…

心は誰にも触らせない

人に優しく接すのは、期待していないからだ。力量を見極めて能力が足りない者には過度の期待はかけない。向上心も無く自らを磨くつもりのない者の話を聞くことはない。実力も無いのに要求だけを求める者は相手にしない。いつも自分の利益だけだ、悪いのは他…

キス・イン・ザ・ダーク

デートの帰りに秘密のキスをして「後戻りは出来ないのよ」と瞳を覗かれると、ドキリと身が震え、嗚呼生きているんだと実感する。 あえて危うい吊り橋を好んで渡る僕は病んでいるのだろう、求められれば誰彼かまわず、愛を配り手品のようにスルリと唇を奪って…

Stray cat

穏やかな日々、波風の立たない凪いだ世界。 上辺の優しさと愛想笑いの日常、平凡な社会生活。日付が変わる前に家に帰り、眠るベッドは暖かい。不自由もなく全ては満たされている。こんな当たり前の生活が明日も続くのかと目を閉じて、ため息と共に眠りに就く…

キミをどんなに想い続けても

例えば、海が見える場所で触れるか触れないかの距離でベンチに腰を掛けて 一緒に夕日が沈むのを眺めることは素敵なことだと思う。 例えば、天井の高いレストランでナイフとフォークを動かしながら、穏やかに会話を愉しみ、美味しい時間を共有することは、僕…

Dream Land

夢の中に出てくるぐらい君を想っていたい。 僕のじゃなくて君の夢の中に、 恋人じゃなくても、友達じゃなくても すれ違う通行人役でいいから、 君の無意識の世界の住人になってみたい。 夢で愛しい人に逢う方法、平安時代の恋する乙女が詠んだ唄を思い出して…

かたちのないもの

潰れた心を、そおっと両手で抱えて陽向に持っていた。春の陽を浴び、鳥の歌を聴き、少し優しい気持ちを吹き込んだら、イビツながらも形が戻った。 破れ、砕かれ、打たれながらも意外にタフなものなのだ。鉄であったり豆腐であったりバラ色や灰色と目まぐるし…

怖いから隠してしまうんだよ

本当は東京駅でサヨナラを言うつもりだったけど、わがままを言って同じ電車に乗り込んだ。まだ、君と離れたくなかったからだ。 一駅だけ一緒の電車に乗って、名残惜しいけど開いたドアからホームに降りた。 ホームの階段を昇る手前で振り返ったら電車に残っ…

心が潰れる音4

「この子は無理をしていたんです、強くもないのに強いふりをして、恰好ばかりつけてバカな息子です」彼の母は、僕の知らない彼の姿を語った。 無理に飲みすぎて家で嘔吐する彼、周りの気を引こうと奢り集られて借金を重ね、ギャンブルに依存する彼、名古屋を…

心が潰れる音3

記憶が混濁した彼は、うなされ「怖い怖い、死にたくない」と身体を震わせていた。「先生、助けて下さい」と僕を医師に間違えて「虫が背中に貼り付いて取れないんです」と訴える。 見てはいけないものを見てしまったという思いが心に湧いた。隣にいた彼の母親…

心が潰れる音2

病院の無機質なベッドに棒のように細い男が横たわっていた。身体中に管を繋がれた彼は死の床にいた。 久ぶりに会いたいと連絡を受けて、向かった先は東海地方の町にある総合病院だった。 10年ぶりに会う彼は、頬がやせて鈍よりとした目で僕を迎えた。 「ご覧…

心が潰れる音1

その人は僕の憧れだった。常に堂々と落ち着いていて機嫌よく笑う人だった。彼は何時でも僕に夢や希望を語り、意欲的で前へ前へと進む挑戦者だった。 「人生は良いものだ、頑張れば必ず結果がでる」と涼しい顔で笑いかける彼は僕のヒーローでアイドルだった。…

lovely困るよほんと

なぜなのか困ったことに君とデートをすると、君は何時も楽しそうに驚いてくれるから、僕は喜んで、次はどこにお誘いしようかなんて考えてしまうんだ。それは倫理に反することだから君には本当に困ってしまう。 君は巣穴からクビを出した小動物のように僕が選…

無理に笑ったら可笑しいよな

鏡の前で髭を剃りながら不機嫌な顔だと思い、自分に向かって笑ってみたんだ。 ぎこちなく笑う疲れた男が不憫で、直ぐに我に返りバカバカしいと冷笑したとたんに、鏡の向こう側から睨まれた気がした。 何時でも表情豊かに頷いて、大袈裟に驚き、なるほどと感…

眠れる街の寝れぬ男

ただ、眠りと着替えに帰るだけの家であっても、無いよりはましだと、許されるからと甘えて破天荒に生きる僕はやはりクズな男だ。 深夜に帰宅しテーブルの上の3つのチョコレートを見つけて心を痛めた。そして3通の手紙を読んで泣いた。 何処へ向かうか判らぬ…

会いたくなくとも会わざるをえない

迷路に入って行き詰まったら、また元の場所に戻り道を選べばよい。後戻りができず時間切れでその場で立ち尽くすのも運命だ。その時は、もはやこれまでと諦めるしかない。今日はそんな日だ。 会いたくもないやっかいな奴が待ち伏せしていると知っていながらも…

朝の光が全てをとかす

夜の静寂に流した言葉は、朝日を浴びて消えてしまった。 所詮、言葉は不自由で伝えたい気持ちを越えることはない。 嘘は言っていないし後悔も反省もないが、羞恥心はある。僕にだって恥ずかしいという感情はある。 目が覚めて髭を剃り、紅茶を飲み、歯を磨き…

おやすみラブリー

ラブリー眠る前のひととき、美しく空に浮かぶ月を見ていたら急に君に会いたくなったよ。僕は今、君のことを考えながら月灯りを頼りに君を攫いにいく計画を立てていたところさ。とりあえず海まで逃げて、西の海に沈む月を二人で眺めようか。これからのことは…

断捨離

最後に「さよなら」と打って、バックスペースキーで削除し「おやすみ」に変えた。 「もう興味がなくなったんだ」は、「君との関係を大切にしたいから、少し時間を置いて二人の距離感を確かめよう」に。 「次のデートはどこに行こうか」は、「もう逢うつもり…

好きになれない

みんな、一番好きなのは自分で、自分が得をすることだけにしか興味がないみたいだ。 それなのに他人の、噂話や陰口が好きで、自分の欠点へ至らなさには目を背けていたいんだな。上下や優劣、肩書きと財布の中身で人を計る価値観、利用できるか、できないか、…

月が綺麗なのは満月の夜だけじゃない

寒風吹きすさぶ、駅のホームで電車を待ちながら、君の白いうなじのように白くて遠い月を眺めていた。どうせ手が届かないからとカメラで撮って僕の懐に収めてから、電車に乗った。 そして車窓に映る疲れた男の顔に気がつき、ヤレヤレと大きなため息をついた。…

粉々になって弾ける前に

ダンスフロアのダウンライトの光を浴びて、きらきらと輝くクリスタルガラスは、美しいけど傷つき易い君の心みたいだと思った。 一度ヒビの入ったグラスは愛情を並々と注いでも満たされぬ事なくこぼれ落ち、君の渇きを潤すことは出来ない。 僕が抱きしめれば…

毅然として冷静に打ちのめす

何にせよ溺れるほど夢中にはなれない、僕は何時でも何処かで振り返り、岸を確認して戻れる距離しか泳がなかった。 破天荒な人生を標榜しながらも、身を滅ぼす程はのめり込めない。同じゴールを目指して隣を泳ぐ誰かが急に沈んでも、助けることはしない、溺れ…

突然に冷たくなるわけ

僕と過ごすと女の子はみんな笑顔になった。デートの前よりも必ず彼女達は幸せそうに微笑んで、別れ際は少し切なそうな顔をする。 「今日はありがとう、また会おうね」と手を振り送り出して、背中が見えなくなるまで後ろ姿を見送った。そこで僕はスイッチをオ…

誰もが僕を好きになった

僕のやさぐれた魂は、行き場を失い夜の街を当て所もなく日々さ迷う、酔いにまかせて知らない女と口先だけの約束を交わし、今宵の行方を探ってみたりと、善悪の区別もなく勢いに流され夜を過ごす。そのうちに腕を絡めて一時の逢瀬を楽しむ僕は悪の化身で自堕…

海に阻まれた虜の島

月齢の若い月はもう西の空に沈んでしまった。さざめく星の下で独り判別のつかない水平線を睨んでいた。此処ではない何処かへ行ってみたいという逃避願望にかられ、海沿いの駐車場に車を止めて太平洋の黒い塊を眺めていた。 星月夜の浜辺へ過去に捨てた、感情…

不機嫌の記憶

時々思い出すことは、白黒写真に写る少年の笑顔だ。彼は可笑しくないのに微笑んでいた。ぎこちなく笑う少年の強張った表情は、動物園の檻の中に入れられた動物のように臆病で戸惑っていた。なぜ写真を撮る時は笑わなくてはいけないのだろう。楽しくもなく不…

週末の孤独

半分眠りながら、カランから湯船に落ちる水滴の音を聞いていた。ひとつとして同じ音はない、一瞬一瞬過去へと飛びさる今を見送りながら、日付を越してしまった。また終わりの日に近づいてしまったと感嘆する。心も身体も疲れている、大きな欠伸と溜息をつい…

浮気心ではない

素敵で可愛い女の子がこの世界には多過ぎるから誰のことが一番好きかなんて決められないよ。だってみんな魅力が違うのだから、逆に失礼だよ順位をつけるなんて。そんな事を言うとお前は不誠実だといつも叱られる。でもどうして一番じゃなきゃ駄目なのかな、…

一粒で二度愛しい

君が森から拾ってきたドングリを巣穴に籠もって一つ一つ口に入れるとほっぺが落ちるぐらい甘くて切ない味がした。素直に甘えてみるものだね、君が小さな約束を覚えていてくれたことに僕は感動したよ。ホント最近で一番嬉しい出来事だった、世界で一番美味し…

何時も名前で呼びたいんだ

君と会うと日々の垢にまみれた僕でも、人並みの優しさみたいなものを思い出して心が丸くなるよ。君はあどけなく無垢な魂を持つ人で、僕にとって君と一緒の時間を過ごすということは、寛ぎと癒やしを与えてくれる掛け替えのない時間なのさ。君が煌めく景色に…

悪の化身かもしれない

「お前は馬鹿か、お人好しにも程がある」と僕はいつもオヤジに叱られていた。心に垣根を設けないから、上も下も右も左もなく誘われれば誰とでも会うし申し出を断るにも会って相手の顔を見て言うことにしている。問題を有耶無耶には出来ず始末を付けたがる性…

おはようの前に

ミルクレープの様に積み重なった時間に埋もれていた苦い思い出を掘り出して、両手で抱きしめ痛みを受け止めた。そして深くため息をついてまた元の場所に埋め戻す。眠れぬ夜の闇の中で孤独な作業は続けられる。 過去は痛みで、未来は恐怖だ。僕は目の前の生活…

静かに深くそして厳かに

「お誕生日おめでとう」と北風に向かって呟いた言葉は君の元には届かないだろう「君のことが…」と続けて噛み締めるように瞑目し言葉を飲み込んだ、でも隠したはずの君への想いが体中を駆け巡り、気持ちが外へ溢れ出してしまいそうで、僕は慌てて口を閉じた。…

何故音楽を辞めてしまったのですか

明け方の夢に君が出てきた。夕暮れの街を君と僕は歩いていた。ノラ猫に誘われて、ぶらりと入った楽器店で僕はストラトキャスターを手に取り、君の求めるままに、エリック・クラプトンのLaylaを弾いた。本当はベーシストなんだけどと言い訳をしたが、伸びやか…

人生のお師匠さん

「足るを知る」という、考えを教えてくれたのは叔父だった。「奪い合えば足りず、分け合えば余る」とも話してくれた。二つの言葉の意味を、欲張るな求めすぎるな、頃合いを見定めよ、分相応を省みよということだと、僕は解釈している。叔父は粋を極めた数寄…